今では許されない、消えた風景

2020-10-03

こだわり情報

 

昭和が終わる頃から、いろんな自主規制や同調圧力でがんじがらめな時代になってしまいました。自分の価値観と違う考えや文化を認めない人が増え、ちょっとしたことで抗議、炎上が起こります。実生活が豊かで楽しければそんなことで一々文句を言う気持ちにはならないはず、やはり、広い心、遊び心を持つ余裕が今の停滞した日本にはないのでしょう。昭和元禄と呼ばれたイケイケでめちゃくちゃな1960年代後半70年代初頭の日本がうらやましい限りです。

ここで掲載する写真は、今では決して撮ることを許してもらえない、やる人は非常識と言われてしまう写真ばかりです。線路を歩く写真などは70年代ではよくある風景だったのですが、今では避難の嵐でしょう…。

ちょっと視点がズレますが、いまだ思い出して至福な気分になるのが、20代の頃一人旅をした電車の中の光景です。初夏の夜、中央本線普通上りの長野か山梨あたりの山の中でしょうか。ガラガラの古い車両でボックス席に足を投げ出し、江戸川乱歩の「押絵と旅する男」を読みながら、窓を全開にしてタバコを吸っています。肘を窓に掛け、顔を出すと外は疾走する暗で、自分が今どこにいるのかもわからず、時代さえ分からなくなるような奇妙な感覚…。こんななんともいえない体験も、下開き窓は危険、全面禁煙の今では再体験不可能になってしまいました。

- 今では絶対に通報される橋の上 -

- 今では非常識になる住宅街の焚き火 - 

- 今ではやる人の神経が疑われる屋根の上 -

- 今では田舎の高校生までが限界の二人乗り -

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横浜在住グラフィックデザイン・イラストレーター。詳細はHP「+ELPH+」のProfileに記載。

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